鳩舎のつくり方

 こんな私にも、鳩を始めたり、再開する方から質問のメールをいただきます
 その中で最も多いのが、鳩舎のつくり方です
 いろいろな鳩舎を見学したり、自分なりの経験から、入門書に載っていないいくつかのポイントを述べてみたいと思いますので、ご参考にして下さい。

1.通風

 鳩舎作りで最も大切なことは通風です。何故なら、鳩は糞をして、ガスが出るからです。鳩舎を作る場所で、タバコを吸ってみて下さい。すると、その場所付近の山や河の影響から、だいたいの風向きの癖があることに気づくはずです。
 私の家では、南西から北東に風が抜けていくことが、年間のうち8割以上です。ですから、南西と北東に窓を作る必要があるのです。
 また、鳩の帰りが他は鳩舎より極端に悪かったり、鳩が湿っ気ていて毛吹きの悪い鳩舎は、鳩舎の通風が悪いのです。
 通風のチェックをする際、鳩舎の中でタバコや線香をつけてみて下さい。正常な鳩舎は、いつも空気の流れがあるはずです
 窓の高さは、均一である必要はなく、むしろ、高低をつけて空気の流れを作っている鳩舎もあるようです。

 以前、見学した東日本CH総合優勝鳩舎の選手鳩舎は、3面金網でした。鳩はもともと野生動物なのです。ただ、体調の悪い鳩は、風の通らない場所に行きたがるので、そういう場所も作ってやって下さい。
 よく、蚊が入らないように、防虫網を使っている鳩舎がありますが、細かい羽毛ですぐに目詰まりしてしまい、通風が悪くなってしまいます。ベープマットを付けてやって下さい。私は、60日連続使用の液体マットを使っていますが、これで十分のようです。

2.入舎口 

 入舎口の位置は、短距離レースの際に大きく影響します。出来れば、ダイレクトに入舎したほうがタイムロスが防げます。出来るだけ、高い位置に取り付けて下さい。また、帰ってきた鳩はすごく興奮していますので、人間の視線にも敏感です。出来るだけ見えにくい場所に設置し、覗き窓を設けるか、鏡を取り付けるのも良いようです。

3.水浴場

 出来れば、運動場のように、鳩舎の外に設置するのが良いと思います。鳩舎内も湿気ませんし、管理も楽です。流しなんかは価格が高いので、トロ箱なんかの底にドリルで穴を開け、排水ホースを取り付ければ、安上がりです。

4.展望台

 出来れば、鳩舎の屋根360度金網張りの展望台を設けて下さい。私の鳩舎は、住宅地であり、羽毛が気になって出来ませんが、これがある鳩舎は強いですし、新たに設けた後、強くなった鳩舎はいくつも見てきました。鳩もここに出たがるところを見ると、彼らには非常に必要な場所だと思われます。理由は通風だけでなく、ふんだんに日光に当たれるためです。騙されたと思って作ってみて下さい。

5.材料

 最近、ホームセンターが増えて、材料の入手が楽になりました。しかしながら、コンパネやベニヤ板の安物の使用は避けて下さい。使われているボンドの質が悪く、新しいうちは、有害ガスが出るそうです。よく鏡なんかで、下側が変質している光景を見ますが、これが悪いガスの影響だそうです。
 支部や連合会の中には、建設業の方が多くおられるので、ご相談されると良いと思います。 タル木にしても、ちゃんとした材木屋の材木は、釘を打つにも硬いですし、鋸を当てても違いが判ります。 鳩舎の新築後、1〜2年は良い鳩が出来ないというのは、これが理由と言われています。

6.アルミサッ

 結構、安いです。1窓8000円くらいです。サッシ屋さんで大きさを指定すれば、そのように作ってくれます。見た目が良いだけでなく、やっぱり便利です。是非、使ってみて下さい

7.大工さん

 大工さんに、建築を依頼される方がおられますが、鳩飼いでない大工さんに頼んでも、なかなか良いものは出来ませんし、止まり木等、結構面倒くさい上に、お金にならないので、トラブルになることが多いようです
 出来れば、鳩飼いの大工さんに頼むのが良いのですが、鳩舎を知っている大工さんは、なかなか引き受けてくれません。(笑)
 止まり木や巣房は、雑誌などに広告が出ている出来合いのものを使うのが、結局は安上がりです。

8.水道

 鳩舎には、水道を引かないと大変です。私は、2又になった蛇口から、耐圧ホースを引いて、また蛇口を取り付けています。設置後、10年以上経ちましたが、全く不便を感じたことはありません。
 かえって、塩ビパイプなんかで作ると、凍結で破裂したり、トラブルが起こるようです。

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